2011年の本日、多発性骨髄腫の為亡くなった横浜出身の歌手、上野尊子。
享年75歳。お悔やみ申し上げるとともに、彼女の歴史を少々。
19歳で横浜シーサイド・クラブにてプロデビュー。米軍クラブで長らく歌い、ナンシー梅木、沢たまき、前田美波里も指導したという松谷穣に師事し、72年に渡米。スタン・ケントンのグループでもシンガーを務め、
ダコタ・ステイトンや
ベティ・カーターから指導を受けたそうです。
帰国した彼女の歌声に惚れ込んだ本作のピアニストでもある菅野光亮が、現カメラータ・トウキョウの井阪紘に紹介。彼もまた彼女の才能に惚れ込みアルバムを制作することを決意。当初はピアノ・トリオに彼女のヴォーカルをフィーチャーする予定だったようですが、ボトムスを外し、菅野のピアノ伴奏のみで吹き込まれたのが彼女の
デビューアルバムとなる本作。
太目の声を出し切るのではなく抑え目に歌う感じで、選曲も自分のヴォーカルをよく理解しているなというのが個人的な印象。ていうか、恋の歌が中心に選曲されていますが、失恋だったり憂いだったり、改めて
JAZZのスタンダードって「うまくいかない」だったり「壊れた」恋の歌が多いなと。「苦味」、「渋み」、「酸味」... ほんとコーヒーのようでスね。「うまくいってる」ことを詞にする、それを歌うなんてことは基本的に野暮だなと個人的には思っています。共感を得たいがための今の歌とは発想、成り立ちが真逆なんだと。
Takako Ueno (上野尊子) – Good Morning Heartache 1977 RCAA1. God Bless The Child
A2. That Old Feeling
A3. My Foolish Heart
A4. Dancing On The Ceiling
A5. I Got It Bad
B1. Good Morning Heartache
B2. I Can't Get Syarted
B3. Just Friends
B4. Didn't We
B5. It Might As Well Be Spring
Personnel are;
Piano – Mitsuaki Kanno
Producer – Hiroshi Isaka
Vocal – Takako Ueno
Price:
1200yen レコードのご注文及び詳細は
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