
ボビー・マクファーリンは
ジョン・ヘンドリックスや
アル・ジャロウと並び器楽的唱法を特徴とするヴォーカリストで、88年にリズム・ベースなどを全て自身の声だけで多重録音した
「Don't Worry, Be Happy」でグラミー賞の最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞を受賞。自身も最優秀男性ポップ・ボーカル賞を受賞し、3冠達成の偉業を成し遂げたアーティスト。で、本作のリリースは
グラミー受賞前夜の1986年、ボビー名義では通算3作目、
ブルーノートからは初となるアルバム「スポンテニアス・インベンション」
自身とリンダ・ゴールドステインのプロデュースで、演奏ではハービー・ハンコック、ウェイン・ショーターが参加。ボビー作でコモンやUS3等がサンプリングした「Thinkin' About Your Body」にはじまり、A2はボビーと
ハービー・ハンコック作のA2「Turtle Shoes」,
ビートルズ「From Me To You」カヴァーのA3,
DJ Krush「Deep in Ill-Usion」で使われたA5「Cara Mia」, ディジー・ガレスピー作スタンダード・ナンバー「
チュニジアの夜」に前述ジョン・ヘンドリックスが詞をのせ、自身もヴォーカリーズで参加。更にマンハッタン・トランスファーも加勢したアナザー・バージョンのA6は本作の白眉と存じます。
ジョアン・アーマトレーディング「Opportunity」カヴァーで、本家は渋いミッドテンポFUNKですが、多重録音ではないボビー一人によるベース、ドラム音等を交えながらの歌唱、その表現力に思わず聴き入ってしまう秀逸なヴァージョンのB1, B2はRichard Carpenter作曲でマイルスのマラソン・セッションを代表するバップ・スタンダード
「Walkin'」はウェイン・ショーターのソプラノをフィーチャー。B3はBurton Lane, Frank Loesserによる40年公開の映画「Dancing on a Dime」の挿入歌で、ビリー・ホリデーをはじめ
エラ・フィッツジェラルド、
マリアン・マクパートランド等数々の大御所が取り上げたナンバーですが、本作ではライブならではのMCを交えたお客さん参加型ヴァージョン。B4「Beverly Hills Blues」, ラスト「Mañana Iguana」はボビーの曲でライブのテンションも最高潮に... 素晴らしい!
「Thinkin' About Your Body」サンプリング例
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