ジ・オケイジョンズは59年にアメリカはノース・キャロライナ州ウィルソンで結成された6人組のグループでございます。当初はThe Kaysと名乗っていたそうでございますが、何時ぞやかThe O'Kaysionsに変更。ていうか、結成が59年、本作は68年のリリース。察するに長い期間泣かず飛ばずだったようでございます。
そんな彼らを一躍スターダムにのし上げたのがタイトル曲でございまして、当時のPOPSチャートで最高5位、R&Bチャートで6位を記録してございます。ジャケットを見ても水着のチャンネェをウォッチングしており夏っぽいイメージでございまして、事実彼らのサウンドはBeach Musicとも呼ばれてございますが、当方が聴く限りでは、ゆったりとしたノーザン・ソウルといった趣で、むしろ今の季節でもOKなレコードと存じます。
冒頭曲はリード・ギターのウェイン・ピットマン作。A2はCashman, Pistilli & West のEugene Pistilli, Terry Cashman作で、
Spanky & Our Gangが歌いヒットしたナンバーでございます。ちなみに本作と同年にCashman, Pistilli & West のアルバム「Bound To Happen」にも収められております。A3, A4はドーシー兄弟のTommy Dorsey作。この2曲は彼らのために書き下ろされた曲なのか誰かの曲なのかどうかは今のところわかってございません。A5のタイトル曲はThe Buck Trail & Dead Enders のバック・トレイルとウェインによるライティングでございます。
レコードをひっくり返しまして、B1はグループのベース兼リード・ヴォーカルであるダニー・ウィーバー作。こちらも一聴派手さは感じないものの良質のバラード・ナンバーと存じます。B2は再びトミー・ドーシー作。66年リリースの
Lee Rogersが歌う同名曲がございますが、そちらは別物でございます(そちらもカッコよろし) B3はThe 5 RoyalsのLowman PaulingとRalph Bassによるライティングで、
オリジナルはThe Shirells。後に
ママス&パパスもカヴァーし、更に達郎さんも「On The Street Corner 3」で取り上げてございます。B4は本作のプロデューサーであるジョニー・ペイトの作でございますが、これが実はノーマークなのでは?と思う程文字通りハンド・クラップをフィーチャーしたGOODチューン。ラストはウェインのライティングでございますが、これがまた
デタミネーションズを思わすような、ノスタルジーなレゲエ・フィーリングの隠れ好ナンバー。ていうか、総体的に素晴らしいレコードと存じます。CDはございません。こんなにも素敵なのでございますが、彼らがその後アルバムをきることはなく、本作がジ・オケイジョンズの
唯一作でございます。