帯にはこうあります。
"ボーカルのパンチを聞きわけろ... レフリーは君だ!!"はい。結果から申しあげますと、当方のジャッジはアンリ菅野の勝利でございましょう。決まり手は開始早々ファンキーなB1「アンリのテーマ」からの鈴木宏昌のアレンジが唯一無二のジョビン作「Wave」カヴァー。って、これではマリさんを全くご紹介しないことになってしまいますので、順に追ってまいりたいと存じます。
マリさんサイドは所謂正統派JAZZとでも申しましょうか、昔ながらのスタンダード・ナンバーを聴かせてくれます。A1は言わずと知れたガーシュイン兄弟(アイラ&ジョージ)作で、
仲村裕美のアルバムでも登場しました(ていうか、タイトル)「'S Wonderful」, ジョージは「Summertime」の作者としても知られたお人でございます。演奏は横内さんのビッグバンドで初っ端の掴みはOK、スウィンギン&ご機嫌カヴァーと存じます。A2はJ. Fred Coots, Haven Gillespieの38年作。今度は藤井貞泰トリオの演奏がバック。まるですぐそこで彼女が歌っているような生々しい録音もたまりまへん。A3も藤井トリオの演奏でお届け。Carl Fischer, Frankie Laineの45年作。前曲然りサッチモや
ビリー・ホリデーが歌ったナンバーでございますが、彼女も負けず劣らずしっとりとしたヴォーカルを聴かせてくれます。A4はBetty Comden, Adolf Green & Jule Styne作。56年のミュージカル「Bells Are Ringing」の挿入歌でございますが、こちらは彼女のヴォーカル然り、トリオの演奏も実に心地良いヴァージョンと存じます。ラストはフランク・フォスターが書いた曲にエラ・フィッツジェラルドが詞をのせて歌った「Shiny Stockings」で〆
レコードをひっくり返しまして。ロック畑出身のアンリ菅野様の登場。
彼女は寧ろジャズのスタンダードではなく、前述のA・C・ジョビン作のB2やB5といったブラジル・ナンバーや
フランキー・バリ「君の瞳に恋してる」、
James Taylor「Don't Let Me Be Lonely Tonight」を選曲。そして唯一スタンダード曲でA面でマリさんも披露した「We'll Be Together Again」を彼女も歌っております。演奏や楽曲のアレンジ及び解釈等もございますが、同じレコードで同じ曲を演る。正しくガチの勝負でございます。このピンポイント対決につきましては、パイセンのマリさんに当方は軍配を上げたいと存じます。「イパネマの娘」も個人的には好きっス。
But Not For Me Written By Ira Gershwin, George GershwinThey're writing songs of love - but not for me
A lucky star's above - but not for me
With love to lead the way I've found more skies of gray
Than any Russian play - could guarantee
I was a fool to fall - and get that way
Hi ho alas and also lackaday
Although I can't dismiss
The memory of his kiss
I guess he's not for me
Although I can't dismiss
The memory of his kiss
I guess he's not for me
みんな愛の詩を書いているけれど
でも僕のためじゃない
幸運をもたらす星が空にはあるけれど
でも僕のためじゃない...
誘われるがままに恋をしたけれど
そこには黒い雲がたくさんあってさ
ロシア映画ですら
こうはならないだろうに...
恋に落ちた僕が馬鹿だった
こんなことになっちまって
まったく、またもや、なんてこった!
ああ、彼女のキスが忘れられない...
でも彼女はもう
僕のものじゃないんだ
Mari vs Anli – Mari Nakamoto Anli Sugano '79 ToshibaA1.
But Not For MeA2. You Go To My Head
A3. We'll Be Together Again
A4. Just In Time
A5. Shinny Stockings
B1.
Anli's ThemeB2.
WaveB3. Don't Let Me Be Lonely Tonight
B4. Can't Take My Eyes Off You
B5. The Girl From Ipanema
Credit;
Producer & Recording Engineer - Youichi Nametake
Recording Engineer - Yutaka Tomioka
Art Director - Kaeding
Vocals - Mari Nakamoto & Anli Sugano
Arranged By - Shoji Yokouchi, Sadayasu Fujii & Hiromasa Suzuki