マーロン・ブランド主演のベルナルド・ベルトルッチ映画「ラスト・タンゴ・イン・パリ」の
サントラ盤。
どんなお話かと申しますと、ざっくりで言えば自堕落な男前中年と美女の破滅的な恋物語。その音楽をガトーが担当したのですが、アレンジャーは
オリヴァー・ネルソン!彼の手掛けた作品に駄作はございません。
ラストB5のJazz Waltzヴァージョンは、もはや
スピリチュアル/フリーJAZZに近いフィーリングで本作の本命に挙げられることが多く、こんなすごい曲が入っているレコードがアンダー2000円で買えるのかと驚いたものですが、もちろんそれだけではなくBaladヴァージョンのA3は
「Fiesta!」のようなガトー本人による"ヘーイ"シャウトで幕を開ける、知る人ぞ知る
ジョージ高野が模倣したアレンジ。楽曲のメロディーももちろんですが、本作においてオーケストラの重要性だったり素晴らしさを改めて感じさせてくれるA2「Jeanne」やA3「Girl In Black - Tango (Para Mi Negra)」, この曲以上に終わった感のある曲はないであろうB2「It's Over」, ピアノとほんのり脈を打つパーカスが
ファラオ・サンダースあたりを思わせるB4「Why Did She Choose You?」等、映画は拝見していませんが、音楽アルバムとして素晴らしい作品!
それにしてもガトーが奏でる音色、一般のサックスと仕様が違うのか?ってくらい1音でもわかる主張っぷりですが、彼が放つ爆音はサントラとして適切だったのでしょうか。音楽がうるさすぎて映像に集中できないような気がしないでもないですが、いつか映画も観てみたいと思います。