This Is CD-4「We Love Jazz」(非売品)でございます。そもそもCD-4とは1970年に日本ビクターが開発した方式で、4チャンネル完全分離(ディスクリート4チャンネル方式)でございまして、本来は再生するのに専用のカートリッジ等が必要のようでございます(詳しくは
こちら) 要するに、CD-4式のオーディオで楽しむレコードがそれ程普及していなかったため、何がしのおまけで配布されていたものと推測されます(事実、4チャンネル・オーディオは規格乱立による消費者の混乱、ソフトの不足や完成度の低さといった要因が重なり主流となることはなく、短期間のうちに市場から消え去った) てことで、プレス数は今となっては知る由もございませんが、レアであることに違いない本作。
A面が五十嵐武要クインテット、B面が本田竹曠トリオによる所謂スプリット盤でございます。ジャケットだけ見れば、なかなか触手が伸びない雰囲気でございますが、これが実に
見た目で判断してはダメ な一枚でございまして、特筆すべきはA面、五十嵐武要クインテットでございます。恥ずかしながら当方、「子象の行進」なる曲を存じ上げませんでしたが、こちらはヘンリー・マンシーニ作で62年の映画「Hatari!」の挿入歌でございまして、針を落とすやいなや五十嵐武要(いがらしたけとし)のタイトなドラム、松本英彦の熱いフルート、これだけでも白飯3杯はいける演奏に増田一郎のヴィブラフォン、藤田正明のグルーヴィーなギター・ソロまで加わる極上のJAZZ FUNK。この一曲だけでも買いの一枚かと存じます。他の収録曲も全て高水準!特にA5に関してはA1に勝るとも劣らない、当方が知り得る「サマータイム」ベスト5に本日加わった次第でございます。
レコードをひっくり返しまして。B面はピアノトリオだけあってスウィンギンな趣。B1はコール・ポーターが音楽を手掛けた43年のミュージカル「Mexican Hayride(メキ
シカン・ヘイライド)」の挿入歌でございます。そしてB-2、「サニー」収集家の当方としましては弥が上にも期待するのでございますが、見事に期待値を上回る鳥肌ものの演奏でございました。ラストはもっとも成功を収めた女流作曲家、Ann Ronellがジョージ・ガーシュインに捧げたといわれる「Willow Weep For Me」
ビリー・ホリデイの歌唱等で知られた曲でございまして、本田竹曠のビリー好きが高じて吹き込まれたようでございます。
This Is CD-4 – We Love Jazz 197? TrioA1. 子象の行進
A2. シークレット・ラヴ
A3. 言い出しかねて
A4. ムーングロウ
A5.
サマータイムB1. アイ・ラヴ・ユー
B2. サニー
B3. 柳よ泣いておくれ
Credits;
Bass – 栗田八郎, 鈴木良雄
Drums – 五十嵐武要, 村上寛
Guitar – 藤田正明
Piano – 本田竹曠
Vibraphone – 増田一郎
Alto & Tenor Saxophone, Flute – 松本英彦
Price:
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