本作はサー・ローランド・ハナ率いる(サーの称号は西アフリカの国、当時のリベリア大統領William Tubmanより授かった)ニュー・ヘリテージ・キーボード・カルテットが73年に残した
唯一作。
そのサー・ローランドとミッキー・タッカーによる二枚鍵盤が最大の特徴である本作でございますが、"なんでこのアルバムだけで終わってしまったのか?"と思わずにいられない、好曲揃いの隠れ名盤と存じます。
A1は
Eddie Jeffersonのヴァージョンが有名でございますが、本作がオリジナルでございます。A2, A3はミッキー・タッカーの作曲。これまた個人的にですが、当方の好きなプレイヤーでございまして、エレピによる美しくもミステリアスなA2、一転、アコースティックに切り替えてのジェットコースターのように激しく転調するA3ともお気に入りのナンバーでございます。
レコードをひっくり返しましてB1は誰がオリジナルかわからず当方の勉強不足で恐縮でございますが、これがまた実に渋いナンバーでございまして、ドラムブレイクもありと7:44という本作でも一番の長尺曲ながら、聴き飽きるどころかグイグイ惹きつけられるのでございます。
B2は再びタッカーの作。そのタイトル通り(直訳では奇怪な行進曲)、行進曲的なドラムがフィーチャーされた、本作でも異彩を放つ独創的なナンバー。ラストはサーによる作曲。ほとんどクラシックの趣で、個人的には本編になぜこの曲を収録したのかイマイチよくわからない、もしくは"このメンバーで演る必要性はなかったのでは?"という気がしないでもないですが、彼らのオリジナリティに溢れた素晴らしくもアンダーレイテッドな一枚、ていうか
未再発盤でございます。
The New Heritage Keyboard Quartet – S.T. 1973 Blue NoteA1.
Zap CarnivorousA2. 86 1/2
A3. State Of Affairs
B1.
DelphiB2. Monstrosity March
B3. Child Of Gemini: So You Will Know My Name
Personnel are;
Producer & Engineer [Recording & Remix] - Don Hahn
Executive Producer - George Butler
Bass - Richard Davis
Drums & Percussion - Ed Gladden
Piano, Harpsichord & Clavinet - Mickey Tucker & Sir Roland Hanna
Design [Album] - Mike Salisbury
Artwork By [Illustration] - Ron Kriss
Price:
SOLD!